こんにちは!函ノ湯編集長の藤井です。
函館のフリーペーパー『peeps hakodate』内で執筆させていただいてる「ここがヘンだよ!函館人」。移住者ならではの目線で、ちょっと気になる函館のユニークポイントを、愛と敬意をもってネタにする。というコーナーです。
誌面上はモノクロですが、函ノ湯では豪華カラーver.でお届けします。
短いですがどうぞお楽しみください。
ちゃんと名前で呼んであげて。
国道5号線と松前道(227号線)が交わる場所。主要な道路がぶつかるこの交差点は函館で生活をしていたら通る機会も多いと思う。この付近のことを話すとき、函館人はこう言う。
「あ〜、ガス会社のとこね」
確かにこの交差点には北海道ガス株式会社、通称「北ガス」の函館支店がある。しかし函館人は「北ガスの交差点」とは絶対に言わない。みんな口を揃えてこの場所のことを「ガス会社の交差点」と呼ぶのだ。
北海道ガスという、いわば道を代表するような立派な会社名がついているにもかかわらず、この場所を呼ぶときだけは、なぜだか急に「ガス会社」呼ばわりなのである。
これは例えるならユニクロのことを「服屋」、びっくりドンキーのことを「ハンバーグ屋」、ケンタッキーのことを「鶏肉屋」と言っているようなものである。
さらに驚きなのが、この交差点付近にあるバスの停留所の名前が「ガス会社前」なのだ。こんなオフィシャルな場面でなぜ固有名詞でなく代名詞で名付けたのか。「北海道ガス前」せめて「北ガス前」くらいじゃダメだったのか。名付けた人は北ガスに対して名前も呼びたくないくらいの恨みでもあったのだろうか。
函館人に雑に扱われながらも、今日もあの薄緑色の丸いタンクを背に、北海道ガスは僕らの生活を支えてくれているのだった。